〜入院2日目〜

ここ数日不眠気味だったが疲れていたせいもあってか5時間ほどまとめて眠ることができた。

臨月の妊婦は子宮が巨大化して膀胱を圧迫するので常に頻尿と戦っており、不眠になるのだ。

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朝から体にNSTをつけてもらう。

NSTとはノンストレステストの略らしい。

機械を母親のお腹に装着し、胎児の心音と母親のお腹の張りを胎児にストレスなく記録するというハイテクな機械であるが、母体は複数のコードに繋がれる上にトイレに行く時にもデカい腹にコードをくっつけ、重い機械を連れていかねばならない為、かなりのストレスを感じていた。邪魔すぎる。

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でも胎児にストレスさえかかっていなければよいのだ。母体32歳、大人なのでこれぐらい我慢できます。


NSTはゆるいゴムをお腹に巻いてくくりつけられているだけなので、私がや胎児が少し動くとすぐにズレる。

ズレるたびに看護師さんが心配そうに部屋に入ってきてお腹のNSTをセットし直す。

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忙しい中本当に何度もすみません。


直してもらうついでに内診をしてもらうことに。

結果は羊水が少し減っているけど何も問題なし。

ついでに「羊水減ってたら足せるから安心してね」とサラッと言われた。

羊水って足せるんだ…知らなかった…。


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子宮口は1センチ。昨日から何も進んでおらずヘコむ。


とりあえずこの日は点滴の軽い促進剤を投与して様子見することになった。

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〜促進剤注入開始〜

昨日は絶対に乗らなければいけないジェットコースターの順番を待つ気分だったが、今日は降りることのできないジェットコースターに乗り込んだ気分だ。

上手くいけば今日、噂に聞く猛烈な痛みを味わうことになるのか。どんな痛みなのだろう。


いままで色んな出産レポートやエッセイを読んできたが、正直「陣痛」がどんなものなのか上手く想像できたことは一度もなかった。


「ロードローラーで何度も腰を轢かれる感じ」だったり、「上半身と下半身がちぎられるような痛み」だったり、「痛過ぎて気絶した」だったり、とにかく色んな表現を見てきたが、どれもこれも体験したことのないタイプの痛みすぎてピンとこない。ただとにかくものすごく超絶に痛いことだけはわかる。


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点滴が落ちていく。

プロレスラーの北斗晶さんが人生で感じた痛みの第2位に陣痛を上げていた事を思い出す。

ちなみに3位がフェンスにぶつかって膝の骨が見えた時、1位が治療で頭蓋骨に穴を開けた時らしい。

その中間が出産だ。考えれば考えるほど想像がつかない。怖すぎる。


しかしここまでくれば腹か股か腰か、どこかを猛烈に痛めないと家には帰れない。できるだけ早く産んで早く家に帰りたいので頑張るしかない。


私のドキドキと覚悟とは裏腹に、陣痛はなかなかくる気配を見せなかった。

暇である。とりあえずiPadで落書きをして時間を潰してみたりするが点滴が邪魔で気が散ってしまいなかなか集中できない。

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実際に描いていた絵


午前9時に点滴を開始して、11時頃からから徐々に軽い生理痛のような波が来る。

が、それだけ。やはり子宮口が中々ひらかず、昼の内診で子宮口1.5センチ。産めるのは10センチになってから。気が遠くなりそうだ。

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入院しているのは個室病棟で広々快適なはずなのだが、NSTと点滴に繋がれてとにかく本当に不便。


先ほど我慢すると書いたものの、ベッドを挟んで右に点滴、左にNST。左右から管が伸びていて寝返りが打てない。トイレに行きたいが行く気力が湧かない。ああヤダヤダ!文句ばかりですみません!!!

NST、これはもう少しどうにかならないのか!?コードなしにはならないのか!!!多分ならない!だってなるんだったらもうとっくに誰かが提唱して作られて普及しているはずだから!

全ての機械の付属品には意味があるはず。バカの私はそう思うことでこの逆境を乗り越えようと決めた。

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〜13時ごろ〜

1本目の点滴が終わり、2本目が注入される。痛みは相変わらず軽い生理痛という感じでなんの進展もなし。

子宮口の様子見をされる。グリグリである。

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グリグリされるけど子宮口は多めに見積もって1.5センチだった。


内診は痛いが自分にはどうすることもできない。医学の知識が何もない私には何もわからないのだ。

産み方も子宮口の開き方も何も知らない。今の私にわかるのはイラストのレイヤー分けの方法だけ。それ以外は何もわかりません。

お医者さんだけが頼りなんです。もうどうにでもしてください。


グリグリの後、真昼間にも関わらず助産師さんに「この感じだと今日はもう出てこないかもね〜」と言われてしまった。

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まだお昼だよー?今言うー!?


16時頃〜

結局2パック分促進剤を打ち終わってしまい、子宮口の開きは2センチ。牛歩すぎる。

この時、促進剤のおかげでちょっとだけ腰が痛くなり始めて、折角陣痛も強まってきていたのに今日はもう点滴もおしまいらしい。

今日産まれないということはまた入院期間が1日伸びてしまった。トホホである。


促進剤が外れた後も、結局抗生物質を打ち続けなければいけないため身動きの取れなさは変わらず、暇を持て余した私は色んな情報を漁ってしまう。

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抗生物質打ちまくり


促進剤を打った人はどのぐらいで子供を産むのか、どうやって産んだのか、何時間で産んだのか。破水してから出産までのタイムリミットはどれぐらいなのかなど。

読めば読むほど不安になるし、みんな私より早く産んでいる気がする。


家に帰りたいけど産むまでは帰れない。

赤ちゃん産むまで帰れま10である。

隣の部屋からは昨日生まれた赤ちゃんの声。いつ帰れるんだ。心細すぎて少し泣いてしまった。

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涙ポロ


入院バッグ、家を思い出せる何かを入れてくればよかった

見て元気を出せるグッズみたいな物が何もない。結婚指輪を首から下げて持ってくればよかった。元気が出たかもしれないのに。

仕方ないので入院前に夫が買ってくれたいろはすの蓋をお守りとしてベッドの横に置き、夫だと思うことにした。

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今思うとたった2日でこんなに心細くなってどうするんだと思うが、当時は本当にいつ産まれてくるのか先が見えずバカほど心細かった。

おそらく信仰はこういうふうにして生まれるのだろう。


子宮を収縮させているので子供の方が苦しいはず。破水もしてるし羊水が減ってお腹の中の居心地が悪くなっているんじゃないかとかなり不安だ。

明日も頑張ろうと思いながら眠る。

眠る頃にはお腹の痛みも張りもなくなってしまった。

明日も1から仕切り直しだ。

あー、早く家に帰りたい!


3日目に続く



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入院2日目で持っていってよかったと思ったもの

・コンセント付きのポータブル充電器

なにかと充電できて便利だった


・お菓子

家で普段食べているお菓子を食べたら少しほっとした


S字フック

ベッドサイドにカバンをかけられたので点滴やNSTをしながらでも持っていったものを取ることができた


・Kindle(アプリ)

気を紛らわせるために漫画をいっぱい入れていった。

ついでにKindle Unlimitedに入っていたので簡単そうな読み物をいっぱい読めてよかった。


持っていけばよかったと後悔したもの

・汗拭きシート

とにかく産院が暑くてお風呂が禁止だったので地獄みたいに体が気持ち悪かった。

看護師さんに体を拭いてくださいっていうのも申し訳なくて言い出せなかったので本当に持っていっておけばよかったと何度も後悔した。


・家を思い出せるアイテム

入院が長引くと本当に心細いのでメンタルケアできるものが欲しかった。