ここ数年の私について
12月、機会をいただき東京で個展を行うことになった。ここ数年私は結構全力でもがいていた。多分きっと、ほとんどの人にはバレていないと思う。コロナ禍になるちょっと前、結婚をしてすぐに人生で最低レベルの理不尽な目にあい、生活のバランスが崩れてしまった。詳細はちょ
12月、機会をいただき東京で個展を行うことになった。
ここ数年私は結構全力でもがいていた。多分きっと、ほとんどの人にはバレていないと思う。
コロナ禍になるちょっと前、結婚をしてすぐに人生で最低レベルの理不尽な目にあい、生活のバランスが崩れてしまった。
詳細はちょっと書けないんだけど、どのぐらい最低かっていうとこの一件のせいでシンプルに死のうか迷っていた。
そのころ私はコラボカフェを2件、アパレルの制作、大学の非常勤講師、連載2本、東京へ月一のラジオの収録、漫画の発売、コラボグッズの制作などを一気に行っており、仕事と私生活ゴタゴタのバランスをギリギリで取りながら生きていた。
私生活の相談をできる人は誰もいなかった。家族が頼りにならないわけではない。その理不尽は私一人で立ち向かい、解決するしかないものだったのである。
全ての仕事がひと段落したころには私の心は燃え殻のカスカスになってしまっていた。
私は結構メンタルが強い方だと思う。体も。
イラストの特性上勘違いされがちだが、嫌なことがあった時に「オウオウコラ!殺すぞ!」と思えないと私のような絵にはならない。
私はみんなと一緒に最悪な夜を乗り越えるために絵を描いているつもりだ。その私が一緒に沈んでしまってはいけない。これは私の勝手な使命感。私はみんなを引っ張り上げて、生きる方向にポ~イと放り投げたいのだ。
しかしそんな私の心がゴタゴタのせいでボキっと折れてしまった。
更に運悪くコロナがやってきて、今度は夫のメンタルが絶不調になってしまい、家の事、家計の事、犬猫の世話、夫のサポートなど、生活の全て私が担当することになった。
これが追い打ちで、私はこの時から仕事以外の絵が描けなくなってしまったのだ。
どうしても絶望。
心の中では鬱々としているのに、SNSでは「結婚しているから」「家庭を持っているから」という理由でなんとなく幸せという皮を一枚かぶったような、また、レッテルを張り付けられているような気がして(勝手にね)ツイッターを見ることがとても怖くなってしまった。
結婚した当時、エゴサーチをしていた時に「原田ちあきはあんな絵を描いているのに私生活は充実している嘘つきだ」「そんな絵を描くなら幸せになるな」という言葉を見てしまった。その時そんな言葉は特段気にしていなかったのだが、なんだかだんだんとジワジワ、後から効く毒のように、私は私の全てが嘘っぽいような気がしてああ、もうなんだかうまくいかない。
描きたい絵があるのに、言葉があるのになんだかコレ、私が言うとチープなんじゃない?なんて、勝手に自分の中の自分のアンチが騒ぐ。何も描けない。
あーあ、超苦しい。もういっそ全部やめちゃおうかしら。なんて毎日考えていた。
何もできないのでこの頃はとにかく好きなことをした。
好きなものを食べて、好きな漫画を読んで、できるだけ眠った。
好きな雑貨を買ってみたり、楽しいことをとにかく見つけてブログを更新してみたり、それでも心がしんどい日は誰にもバレないように風呂で泣いたりしていた。
猫が敏感だから不安な気持ちになって欲しくなったんだよね笑
中途半端にメンタルも体も強いもんだから身体もうまく壊せない。寝込めちゃったらちょっとは楽になれるのかしら。
いっそのこと死んだ方が楽かもな~と思う夜が何度もあって、でも私は生きる事がかなり好きだから過去の自分の絵をみたりなんかしてやり過ごした。
私の絵、こういう時に効くんだなあなんてハハハと笑ったりしたよ。
とにかく一生懸命生活をした。
住む家を変えて、使うものをかわいくして、おいしいと思えるものを食べた。
10代の頃からずっと欲しかった子供にはなかなか恵まれなかったけどもうできなくてもいいやと諦めてた時に妊娠が発覚して、家計の事、仕事の事、家の事、犬猫の事、もっともっと頑張らなくちゃと臨月までずっと仕事をしていた。
ブログも書いた。みんなを励ます絵は描けないけど、私の文章や絵でちょっとでもみんなを楽しくできたらなあって思っていた。
子供とか犬とか猫とか夫の事しか書いてなかったと思うけど。
そのせいで「子供ができたら子供の事ばっかりなんですね」「幸せになってつまらなくなりましたね」みたいなコメントももらった。そういうのは本当にごめんなさい、見るのが本当に苦しくなっちゃって非表示にしちゃった。コメント書いてくれてありがとう。私の事をちょっとでも面白いと思ってくれていてありがとう。
ごめんね皆の理想の更新ができなくて。つまらなくてがっかりさせちゃって。本当にうまくできなくてごめん。
でも私にはそれしかできませんでした。ごめんね。
子供が生まれてから、実は体調最悪だったんだけど実生活の何もかもが不安で不安で仕方なくて、すぐに仕事を再開した。
子供がいることは幸せ。当たり前に私たちが望んで、この世に生まれてきてもらった。子供の事は大好き。
だから当たり前に、誰に褒めてもらう事でもないけど、でも本当に私は何年も一人で戦って頑張った。と思う。
結婚してから4年かな?ごめんねちょっと計算が苦手だからわからないんだけど。
出産してからは10か月がたった。
色んな人が誘ってくれて、個展もコラボも漫画も、いろんなお仕事をしたよ。
人間って多面体だよ。結婚してても好きなことを仕事にしていても、子供がいても、やっぱり苦しいときは苦しい。何回考えてもこればっかりは嘘じゃない。
幸せのみで構成されて生きている人なんていないよ。みんなの足元に幸せは落ちていてそれを必死で探してそれぞれが大切に持っているんだと思う。
ただ地獄はそれぞれの心の中にちっこくぽっかり空いた穴みたいに、平等に持っているんだわ。それを探し当てた幸せで埋めながら生きるんだよ。
産後、「うちで個展をやりませんか?」といくつかのギャラリーさんが声をかけてくださって、個展なんて多分7~8年してなかったんだけど、うれしかった。
もしかしたらまだ私の絵を待ってくれてる人がいるのかなぁとか思えた。メールの一つ一つが光みたいだった。
絵が描けなくなっていたんだけど、でも全部やらせてもらうことにした。うまくはないと思うけど、また絵を描きたいなって思う。
それはきっと私がもがいていた期間も見てくれていたあなたや、生まれてきてくれた息子や、夫のおかげだと思う。
ちょっとずつここから立ち上がっていきたい。
新作の女の子を描きます。
色んなことがあったよ。私の事を知ってくれているみんなも色んなことがあったよね。
普段はさぁ、私の事なんか忘れてくれていたってかまわないよ。
でも今私たちは生きていて、きっとまた辛いことがあった時、私が私の絵を見て「なにくそ」って思えたみたいに、私の絵はいつでもあなたを支えられるように近くにいられるようにがんばりたい。思い出してくれるとうれしい。
あなたの一人ぼっちの夜のために絵を描くよ。私の為にも。そんな夜に会いに行けるように頑張るよ。
東京で個展をやります。
よかったら私の絵に会いに来てくれると嬉しいです。
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【個展のお知らせ】 原田ちあき個展 「あしたもかわいく」 2023/12/1(金)-12/10(日) ※火曜定休日 時間12:00-19:00 会場 原宿marienkafer () 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目28−4 シニック関根B1-B
ここ数年私は結構全力でもがいていた。多分きっと、ほとんどの人にはバレていないと思う。
コロナ禍になるちょっと前、結婚をしてすぐに人生で最低レベルの理不尽な目にあい、生活のバランスが崩れてしまった。
詳細はちょっと書けないんだけど、どのぐらい最低かっていうとこの一件のせいでシンプルに死のうか迷っていた。
そのころ私はコラボカフェを2件、アパレルの制作、大学の非常勤講師、連載2本、東京へ月一のラジオの収録、漫画の発売、コラボグッズの制作などを一気に行っており、仕事と私生活ゴタゴタのバランスをギリギリで取りながら生きていた。
私生活の相談をできる人は誰もいなかった。家族が頼りにならないわけではない。その理不尽は私一人で立ち向かい、解決するしかないものだったのである。
全ての仕事がひと段落したころには私の心は燃え殻のカスカスになってしまっていた。
私は結構メンタルが強い方だと思う。体も。
イラストの特性上勘違いされがちだが、嫌なことがあった時に「オウオウコラ!殺すぞ!」と思えないと私のような絵にはならない。
私はみんなと一緒に最悪な夜を乗り越えるために絵を描いているつもりだ。その私が一緒に沈んでしまってはいけない。これは私の勝手な使命感。私はみんなを引っ張り上げて、生きる方向にポ~イと放り投げたいのだ。
しかしそんな私の心がゴタゴタのせいでボキっと折れてしまった。
更に運悪くコロナがやってきて、今度は夫のメンタルが絶不調になってしまい、家の事、家計の事、犬猫の世話、夫のサポートなど、生活の全て私が担当することになった。
これが追い打ちで、私はこの時から仕事以外の絵が描けなくなってしまったのだ。
どうしても絶望。
心の中では鬱々としているのに、SNSでは「結婚しているから」「家庭を持っているから」という理由でなんとなく幸せという皮を一枚かぶったような、また、レッテルを張り付けられているような気がして(勝手にね)ツイッターを見ることがとても怖くなってしまった。
結婚した当時、エゴサーチをしていた時に「原田ちあきはあんな絵を描いているのに私生活は充実している嘘つきだ」「そんな絵を描くなら幸せになるな」という言葉を見てしまった。その時そんな言葉は特段気にしていなかったのだが、なんだかだんだんとジワジワ、後から効く毒のように、私は私の全てが嘘っぽいような気がしてああ、もうなんだかうまくいかない。
描きたい絵があるのに、言葉があるのになんだかコレ、私が言うとチープなんじゃない?なんて、勝手に自分の中の自分のアンチが騒ぐ。何も描けない。
あーあ、超苦しい。もういっそ全部やめちゃおうかしら。なんて毎日考えていた。
何もできないのでこの頃はとにかく好きなことをした。
好きなものを食べて、好きな漫画を読んで、できるだけ眠った。
好きな雑貨を買ってみたり、楽しいことをとにかく見つけてブログを更新してみたり、それでも心がしんどい日は誰にもバレないように風呂で泣いたりしていた。
猫が敏感だから不安な気持ちになって欲しくなったんだよね笑
中途半端にメンタルも体も強いもんだから身体もうまく壊せない。寝込めちゃったらちょっとは楽になれるのかしら。
いっそのこと死んだ方が楽かもな~と思う夜が何度もあって、でも私は生きる事がかなり好きだから過去の自分の絵をみたりなんかしてやり過ごした。
私の絵、こういう時に効くんだなあなんてハハハと笑ったりしたよ。
とにかく一生懸命生活をした。
住む家を変えて、使うものをかわいくして、おいしいと思えるものを食べた。
10代の頃からずっと欲しかった子供にはなかなか恵まれなかったけどもうできなくてもいいやと諦めてた時に妊娠が発覚して、家計の事、仕事の事、家の事、犬猫の事、もっともっと頑張らなくちゃと臨月までずっと仕事をしていた。
ブログも書いた。みんなを励ます絵は描けないけど、私の文章や絵でちょっとでもみんなを楽しくできたらなあって思っていた。
子供とか犬とか猫とか夫の事しか書いてなかったと思うけど。
そのせいで「子供ができたら子供の事ばっかりなんですね」「幸せになってつまらなくなりましたね」みたいなコメントももらった。そういうのは本当にごめんなさい、見るのが本当に苦しくなっちゃって非表示にしちゃった。コメント書いてくれてありがとう。私の事をちょっとでも面白いと思ってくれていてありがとう。
ごめんね皆の理想の更新ができなくて。つまらなくてがっかりさせちゃって。本当にうまくできなくてごめん。
でも私にはそれしかできませんでした。ごめんね。
子供が生まれてから、実は体調最悪だったんだけど実生活の何もかもが不安で不安で仕方なくて、すぐに仕事を再開した。
子供がいることは幸せ。当たり前に私たちが望んで、この世に生まれてきてもらった。子供の事は大好き。
だから当たり前に、誰に褒めてもらう事でもないけど、でも本当に私は何年も一人で戦って頑張った。と思う。
結婚してから4年かな?ごめんねちょっと計算が苦手だからわからないんだけど。
出産してからは10か月がたった。
色んな人が誘ってくれて、個展もコラボも漫画も、いろんなお仕事をしたよ。
人間って多面体だよ。結婚してても好きなことを仕事にしていても、子供がいても、やっぱり苦しいときは苦しい。何回考えてもこればっかりは嘘じゃない。
幸せのみで構成されて生きている人なんていないよ。みんなの足元に幸せは落ちていてそれを必死で探してそれぞれが大切に持っているんだと思う。
ただ地獄はそれぞれの心の中にちっこくぽっかり空いた穴みたいに、平等に持っているんだわ。それを探し当てた幸せで埋めながら生きるんだよ。
産後、「うちで個展をやりませんか?」といくつかのギャラリーさんが声をかけてくださって、個展なんて多分7~8年してなかったんだけど、うれしかった。
もしかしたらまだ私の絵を待ってくれてる人がいるのかなぁとか思えた。メールの一つ一つが光みたいだった。
絵が描けなくなっていたんだけど、でも全部やらせてもらうことにした。うまくはないと思うけど、また絵を描きたいなって思う。
それはきっと私がもがいていた期間も見てくれていたあなたや、生まれてきてくれた息子や、夫のおかげだと思う。
ちょっとずつここから立ち上がっていきたい。
新作の女の子を描きます。
色んなことがあったよ。私の事を知ってくれているみんなも色んなことがあったよね。
普段はさぁ、私の事なんか忘れてくれていたってかまわないよ。
でも今私たちは生きていて、きっとまた辛いことがあった時、私が私の絵を見て「なにくそ」って思えたみたいに、私の絵はいつでもあなたを支えられるように近くにいられるようにがんばりたい。思い出してくれるとうれしい。
あなたの一人ぼっちの夜のために絵を描くよ。私の為にも。そんな夜に会いに行けるように頑張るよ。
東京で個展をやります。
よかったら私の絵に会いに来てくれると嬉しいです。
------------------------------------
【個展のお知らせ】 原田ちあき個展 「あしたもかわいく」 2023/12/1(金)-12/10(日) ※火曜定休日 時間12:00-19:00 会場 原宿marienkafer () 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目28−4 シニック関根B1-B